『京都議定書目標達成計画(案)』に対するパブリックコメント
政府は、地球温暖化推進本部の発表した「京都議定書目標達成計画(案)」に対するパブリックコメントを募集した。当協会として、内容検討の結果、意見書提出を決定、4月13日に窓口の同本部事務局宛、下記意見書を提出した。
『京都議定書目標達成計画(案)』への意見
(項目1)29P.「○モーダルシフト、トラック輸送の効率化等物流の効率化の推進」の項の12行〜15行及び別表1の5P「トラック輸送の効率化」について
<意見1>  当石灰業界は、石灰石を原料に生石灰・消石灰を製造しているが、主たる輸送手段はトラックであり、その効率化は常に重大な関心事である。
国の施策として車両の大型化とそのための橋梁・道路の整備増強は、将来に向けて進むべき自然の方向であり、本計画で触れている内容に賛同できる。しかしながら、運輸分野でのCO2排出量削減の重要性を考えると、もっと抜本的施策を講ずるべきであり、項目として、例えば「○トラック大型化及びダンプトラック等の総重量(最大積載量)に係る法整備(或は見直し)」と独立明示し、その強力な推進計画を打ち出す必要があると考える。
現在のダンプトラックは、一部規制緩和措置はあるものの道路運送法によって単車総重量が25トンであり、最大積載量が小さく非効率である。現在のトラック能力からこれを何割かアップするなど、規制緩和や関連法の見直しすることで、運輸分野でのCO2排出量は大幅な削減が可能となるばかりでなく、車両台数の削減も可能にし、交通渋滞の緩和、流通コストの削減、経済活動の効率化をもたらすものである。
<意見2>  同項5行〜6行「エネルギー効率の良い次世代内航船・・・・の開発・普及や規制の見直し等を進める」に関しては、かつての海運不況のあおりを受け、船舶が不足しており、建造に対する各種措置緩和の検討を要望する。
(項目2)32P「工場等におけるエネルギー管理の徹底」について
<意見>  当石灰業界においても、化石燃料のエネルギー転換による削減は、CO2排出量削減の
大きな手段であり、エネルギー転換技術開発に注力して、実際の成果を上げてきてい
る。廃プラスティック、廃油、木質バイオマス等の燃料化を進めているが、利用する場
合の規制が多く、転換への障害があり、この方面の規制緩和、或は利用促進の法的措置
が講じられるべきである。
(項目3)59P「(6−2)環境税」について
<意見>  「環境」に名を借りた新税の導入には反対である。既存税制もあり、むしろその財源の有効利用を図るべきである。
中小企業の当石灰業界にとって、厳しい経営環境の下、かかるコスト上昇分の価格転嫁は容易ではない。業界として環境自主行動計画に真剣に取り組み実効を上げており、自主的に取り組む方が好ましい。更なる課税によるコストアップは、日本経済の国際競争力に与えるダメージが大きく、むしろ「環境と経済の両立」の妨げである。
(項目3)59P「(6−3)国内排出権取引制度」について
<意見> この制度は、排出枠を設けること無くしてできない制度であって、CAPが足枷となり産業の自由な活動を阻害する恐れがあり、排出枠の設定方法によっては、非常に大きな問題を孕んでいる。
生石灰・焼成ドロマイトは、鉄鋼生産、化学工業、建設土木、農業など非常に幅広い用途に使用され、産業界になくてはならない重要な素材であるが、最近では、環境保護や環境改善資材として水質の浄化、汚染土壌浄化、建設汚泥残土の処理、HClガス、
SOx、ダイオキシンなど有害ガス等の除去など、時代の要請を受け、更にその貢献度が高まっている。又、緊急災害対策物資として、鳥インフルエンザ、風水害や地震災害発生後の防疫或は復旧資材として、更には、万一のテロなどによる特殊ガスなどの除染剤としての資材にもなっているなど、現在の社会には、不可欠な貢献資材である。
しかしながら、生石灰・軽焼ドロマイトの製造には、プロセスから活動量に比例してCO2が発生するが、これを削減する技術的改善余地は今のところ無いことを理解して頂きたい。社会にとって必要不可欠な貢献資材である石灰の製造プロセスから発生するCO2はエネルギー起源のそれとは区別するべきである。
従って、今回、温暖化対策法改正案の温暖化ガス排出量の報告・算定・公表制度施行に基づく報告が義務となり、製造プロセスからのCO2も報告することは止むを得ないが、仮に国内排出権取引制度導入の検討がなされる場合においては、現在の技術では削減不可能な石灰製造プロセスからのCO2は、排出枠の設定所謂Cap&Tradeの対象から除外して頂きたい。
以上