鉄鋼の製造工程
鉄鉱石にコークスと石灰石を加え、高炉で溶かして銑鉄(せんてつ)を作り、 次に転炉で銑鉄中の炭素と不純分を除いて作る「転炉製鋼法」と、屑鉄を主原料 として鋼を作る「電気炉製鋼法」とがあります。

私達が通常、鉄道のレール、鉄板など鉄だと思っているものは、ほとんど鋼 (はがね)[steel]です。
石灰の役割 生石灰は転炉や電気炉内で鉄の中のシリコン(Si)、いおう(S)、りん (P)等の不純物と反応してスラグとなって鉄から不純物を除去します。 生石 灰の生産量の50%が鉄鋼用に利用されています。



合金鉄(フエロアロイ)
ステンレス鋼の製造工程 マンガン、クロム、ニッケル、シリコン等と鉄との合金のことで、それぞれフエロマンガン、フエロクロム、フエロニッケル等と呼ばれています。電気炉で製造されますが、製鋼の場合と同様に生石灰が添加されます。
 特殊鋼はフエロアロイを用いて作ります。たとえばステンレス鋼は、鋼、フエロクロム、フエロニッケルに生石灰を加えて、電気炉等で溶かして作ります。
生石灰の活性度
生石灰が鉄鋼・化学工業などに用いられる場合に生石灰の反応速度を表す値で、化学成分に次いで重要視されています。
 水の中に生石灰を投入して温度上昇速度を測定する方法や、一定の粒度の生 石灰試料を温水に投入して塩酸で中和し、塩酸の消費速度を測定する方法などが あります。 
 一般に軽焼された方が活性度が高く、高温で硬焼されると低くなります。 用途によって、活性度の高いものが良い場合もあり、また低いものの方が良い場合もあります。

製鋼で注目されるカルシア質耐火物 生石灰は耐火物の素材としても優れた性能を持っています。水と反応(消化)し易いことが欠点ですが、耐消化性を改良し質の高い鋼やチタン等の金属をつくる耐火物として注目されています。